2012/01/24

心技体

ちょっとした工夫でレベルアップできるかもしれないポイントをいくつかご紹介。タイトルに心技体とありますが、心はメンタル、技はハード面、体はソフト面という事で。納得できればラッキー、出来なければ無駄に長い文となります(笑

  1. ブレーキレバーの位置は内側へ(ハード面)
  2. スタンディングで走る時はかかとを下げる(ソフト面)
  3. 滑るものは滑るという心構え(メンタル)
では解説していきます。

(1)について。今、このブログを読んでくれている方は恐らく机の前に座っている事だと思います。では、次の事を頭に入れて椅子から立ち上がり、そして座ってみてください。両手を肩幅より広めに机に付いて立ち上がる、同じく手を付いて椅子に座る、そしてどちらも手首の向きを机から手を離す前に確認する、これだけです。手首の向きはいかがでしたか?足で言う内股状態に手首が向いた方が多いかと思います。要はハンドルバーを握る手が1枚目の写真のように内向きになれば良いという事です。手首が内向きになると自然と肘が外向き(肘が張る)になりますよね。逆に手の力を抜いて、肘を張ると自然と手首が内向きになるはずです。では、なぜこれが重要なのか?


冒頭の立ち上がる/座る動作、これは日常生活で誰もが行う基本動作ですが、この基本動作と言うのは肉体的に負担が一番少ないから身体に染み付き基本となり得るのだと思います。これを作用反作用の話に置き換えます。机を押して身体を持ち上げるのは、腕で机(ハンドル)を床(地面)に押し付ける事と同じで、自転車で言う「プッシュ」です。逆に机を手で支えて椅子に座るのは、机(ハンドル)を床(地面)が押しているからその衝撃を腕で緩和する事と同じで、これは「プル」になります(「プル」は衝撃緩和だけでなく前輪を引き上げる動作も含まれますが)。このように身体が一番自然な動作を実現させてあげる位置にあるのがバイクセッティングの理想です。まずこれが理由1です。

「ワイドバーにして左右の手の間隔が広まったから手首の向きは真っ直ぐ(進行方向に対して)になるのでは?」という方もいるかもしれません。左右の手の間隔、手首と上半身の距離を変えずに手首を真っ直ぐに向けると肘が落ち、脇が閉まり、内側を向けると肘が張り、脇が開きます。要はバイバイや床拭きの動作です。では手の付く幅を固定して、A.脇を締めて腕立て、B.肘を張って腕立て、をしてみてください。どちらが楽でしょうか?Bのほうが楽だったかと思います。Aは二の腕のシェイプアップに有効なのですが、これは裏を返すとそれだけキツい動作になります。これをMTBに乗っている間に頻繁に行うと腕が疲れてしまいます。頻繁に行う動作ほど筋肉に無理をさせないようにするとライドに余裕が生まれます。これが理由2となります。

バイクの真ん中に乗るのが基本と言われていますが、この基本を実現するには路面の凹凸に合わせて腕を押し引きして上半身を必要以上に動かさない事が必要です。いかに筋肉への負担が少なく、無理の無い動作をするか。これを実現するには「肘が張られ、手が内側へ向く」、イメージ的にはハンドル、腕、上半身を結んだ形が横につぶれた楕円になれば良いという事がお分かり頂けますか?「肘を張る」と書くと不自然に肘を突っ張ってしまう人が出てしまうかもしれませんが、故意に張るのと、位置的関係から自然と張られるのでは全く違うという事に注意してください。冒頭では故意に肘を張った時の手首の位置の確認をしています。なかなか「自然に」という表現も個人での受け取り方が異なるので難しいのですが...。

レバー操作は人差し指のみ、僕はグリップの端の方(手の平が外側の赤リングに乗っかる)を握っています

少し追記。試しにサムヒルやアサートンの動画を見てみました。彼らのブレーキレバーも内側に配置されています。手首の角度はやや真っ直ぐですが、しっかり内側向いてました。向きの多少は個人差はありますね。

(2)これは特にハードテール乗りに有効かと思います。役に立つのはハードテールバイクが苦手とする、木の根や石等の凹凸の多い路面をスタンディングで走る状況です。全く同じと言わないまでも、リアサスペンションの動作を足首で行うわけです。人間の身体はサスペンション以上に可動範囲も広く、衝撃吸収性に優れていると言われますが、半分本当で半分嘘だと僕は思っています。可動範囲は確かに広いですね。では、近年のDHレースでハードテールバイクを見かけますか?好きで走る人もいますが、トップレースにもなると表彰台に立つ事など不可能です。ハードテールライダーとして知られる僕がこのような事をいうのも何なのですが、周知の事実です(ハードテールの良さは他にいっぱいあるので!)。やはり人間の足を持ってしてまでも実現できない動作が1kgに満たないショックユニットは出来てしまうんです。それに少しでも近づいてやろうという意地を助けるのがこの「かかとを落とす」事です。ペダルに載せる足を水平にすると、路面の突き上げをまともに受け、身体の位置が上がり、不安定になります。例えば突き上げが連続する状況(根っこのセクション等)では、一度身体の位置が上方へ動くと、しっかりとバイクを押さえつける事が出来なくなってしまいます。そうなると衝撃でバウンドし前方へ投げ出されて転倒、なんて事もあり得るのです。もちろん、足首はショックユニットほど速くは動かせないですが、このような状況でかかとを落として無理に踏ん張らない事によって、路面の突き上げがうまくいけば足首の動きのみで吸収しきれるかもしれないのです。シッティングしながら漕いでいて、ちょっとした段差がある場合、お尻をサドルからほんの少しだけ浮かせて上半身への衝撃を逃がす事をよくやる方はイメージしやすいかと思います。さらに掘り下げた解説を。バイクが受けた衝撃はサスペンションの有無に関わらず身体で吸収するのが基本です。そしてこの際に重要となってくるのが頭の位置を変えない事です。これは地面と頭の高さを出来るだけ変えない、そしてその為に手足を駆使するという事です。これが本当かどうかはDHのトップレーサーとBMXライダーの走りを動画で見てみてください。前者は前後200mmストローク、後者はゼロですが、両者とも、身体をこれでもかと言う程動かします。頭の位置にも注目してくださいね。全くぶれずに絶えず同じ位置にあるはずです。

(3)さて、1でバイクのセットアップを、2で乗り方を解説しました。バイクの値段や構成パーツのグレードに関わらず、これだけで乗りやすくなったと思います(そう信じています)。では最後にメンタル面の説明です。関東には雪が降りました。スノーライドをする方もいるかと思いますが、どのみちしばらくはトレイルはウェットでしょう。走るトレイルに根っこや轍があって、濡れると走るのが怖いんだよなーという方がいるのでは?もう大丈夫!心配無用です!とは言い切れませんが、少しばかりのアドバイスを。高級パーツをふんだんに使い値段も新車に迫る程のフルスペックバイクと10万円前後の入門バイク、どちらも残念ながら滑るものは滑ります。例えどんなにグリップ力の高いタイヤを履いたとしてもです。ここで、滑る=「怖い」ではなく、滑る=「それは当然、なら対応する動作を行おう」、と考えを変えるだけで怖かったものも怖くなくなるはずです。この動作も色々あるのですが、いくつか状況に分けて説明を。
  • 斜めに走った木の根:加重すれば当然タイヤは滑る→抜重する、木の根の真ん中ではなく両端のどちらかを通る。
  • キャンバー:一番低い部分が滑らず安心だけど障害物が多い、あるいは走れない→タイヤが地面に対して垂直であれば左右には滑らない事を頭に入れ、バームのように走れないだろうか?
  • 轍、深くて幅の広い溝:タイヤは常に地面に対して垂直。真っ直ぐよりクネクネと走った方が安定する事も。

多少タイヤが左右へ滑ったとしても、前方へのモーメントがあれば細かいバイクのステアリング修正で通り抜けれる所がほとんどです。逆に低速になればなるほど滑りやすいということも覚えておいてください。誰でも恐怖が先行するので、くれぐれも無理はなさらずに。トレイルにも良くはありませんから。
このように様々な路面を様々なコンディションで走る事で経験になります。この経験が多く、そしてそれぞれのシチュエーションでどの動作を行えば良いかが分かっているライダーがいわゆる「上級者」という事になります。

好みの問題もあるかもしれませんが、セッティングは減るものではないので試してみては?これを書いている間に埼玉は雪が降り始めました。スノーライド、してこようかな。

2 件のコメント:

  1. マスクマン2012年1月25日 18:49

    >一度身体の位置が上方へ動くと、しっかりとバイクを押さえつける事が出来なくなってしまいます。

    なるほど!と、思いました。「基本姿勢からの加重して抜重」というのは教わっていたんですが、自分は基本姿勢以上に抜重の時にカラダを伸ばしていたみたいです。
    なので、コーナーが続くと、ターン前半の前輪への加重を実感できずにいました。

    >バイクの真ん中に乗るのが基本と言われていますが、この基本を実現するには路面の凹凸に合わせて腕を押し引きして上半身を必要以上に動かさない事が必要です。

    こちらもなるほどな~、と思いました。

    意識して練習して山で違いを感じれたら、と思います。
    ありがとうございました。

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    1. 一つだけの根っこならあまり重要ではないかもしれないですが、連続する場合、重心を低く抑えつつ、かつ足首で細かい衝撃を吸収していくという意味です。カラダ(上半身)は伸ばさず、手と足だけを伸ばしたり縮めると良いですよ。このとき、頭と腰の高さを保つ事がポイントです。どちらかまたは両方を上下に動かしていると、衝撃を吸収していると思い込みをしてしまいがちで、実際には何も吸収していないことがほとんどですので。

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