2010/12/12

トレイルマナー?

このブログも幸いなことに多くのアクセスがあるので、この辺で僕の持論を皆さんと共有できたらいいなと思います。それはトレイルでの走り方についてです。まず最初にこの文は特定の誰かを批判する訳ではなくあくまで個人的な見解やスタイルですので、かなり間違った事を述べているかもしれません。このことを最初に断っておきます。そして「ああ、こういう考え方もあるんだな」程度で受け止めてもらえたら嬉しいです。それでは始めます。


よく雑誌等で目にする「トレイルマナー」という言葉。ハイカーとすれ違ったら挨拶する、ゴミは持ち帰る等は当たり前ですが、その中にトレイルを荒らすような走りはしない、という項目が見受けられます。大体はスライドを行った為に起こる路面の損傷等の自然破壊を減らすという意味だと思います。まず、この「トレイルを荒らすような走りをしない」ためには、かなりのブレーキコントロールテクニックが要求されます。楽しく程よい緊張感を持って走れるスピード域ではなかなか実現するのは難しいでしょう。人が歩く程度のスピードで乗ればそう難しくはないですが、それでは面白くありませんよね?そしていくらライダー側がコントロールに長けていても、MTBは自然の中で遊ぶ乗り物。なので常に変化する路面状況という外的要因に左右される事もあり、それをいかにうまく切り抜けるかというのも必要になってきます。ですからいくら丁寧に走っていても、路面状況を把握できなければゆるい路面に入ってスライドしてしまったり、手のひらに乗るような小石や枝でスリップしてしまうものです。特に落ち葉の積もった今の季節は良くあることです。さらにもろい路面や急斜面では尚更でしょう。これらのことは努力しても避けがたいケースがほとんどなので、ライド中にいかにこの回数をゼロに近づけられるかが重要になってくると思います。ここで「トレイルを荒らすような走りをしない」理由の一つは路面を傷つけ、痕を残すことで生じるハイカーや山の持ち主の不満により山から追い出されるのを防ぐためということが考えられると思います。峠を車で走っていて、ドリフトをした黒いタイヤの痕が汚らしく残っていることがたまにありますよね?それを見ると少なからず良い気持ちはしないはずです。これと同じ事がMTBにも言え、要はハイカーのためのトレイルをいかに綺麗に保つかが重要になってきます。MTBが山から追い出されたら乗るところがなくなり、困るのは僕らです。同じ山、同じ道を利用しているのにMTBの方が立場が低い、これは悔しいですが事実です。

それでは自然保護が理由になるかどうかを考えてみましょう。ハイカーであろうとライダーであろうと、あらゆる路面を傷つけます。水はけの良くない粘土質の地形では掘り返された部分に雨水が流れ、わだちが出来てしまいます。また、粒子の大きい砂状の路面は水はけは良いですが、もろいので簡単に掘れてしまいます。ですがトレイルの面積は山全体を考えれば微々たるものです。これは専門家でも何でもない僕個人の意見ですが、例えそのトレイルが自転車のせいで掘れてしまっても生態系への影響はあまり無いように思えます。山にごく浅く小さい引っ掻き傷を付けるようなものです。もちろん、自然やその土地の所有者に走らせてもらっているという感謝の気持ちは必要です。ここでお金を払って利用する常設コースを考えてみましょう。「路面状況を気にせず走りたいのなら常設コースで。」と良く耳にします。なぜなら常設コースでは定期的に路面の修復が行われているからです。もちろんハイカー等にはコース上で会う事も無いのでスピードを気にせずに走ることもできます。自動車のサーキットと同じです。挙げられる理由はこの二つがメインだと思いますが、自然保護の観点からしたら矛盾していないでしょうか?常設コースであろうとなかろうと、山は山、自然は自然です。わだちに土を埋めたところで元の高さにはなっても元の環境には戻りません。つまり、自然破壊は「トレイルを荒らす〜」の主立った理由にはなるとは言えないのでは、と思います。

ハイカーの多くがMTBに好意的です。「凄いところを走るね」、「頑張ってるね」などと皆さんも声を変えられた事もあると思います。ですが中にはこちらから挨拶をしても無視をされる事もあります。彼らは恐らくMTBと何かしらの嫌な体験があるからそのような態度を取るのでしょう。そもそも、ライダー以外の人間とトレイル上で会う機会がなければこのマナーというものが存在したでしょうか?見られるから気をつける、見られないから好き放題する。自分勝手ですがこれが極論だと思います。僕らにできるのはできるだけ多くの好意的なハイカーに敵意を持たせないようにし、今ある環境を守ることです。

色々と述べてきましたが、僕自身は正直なところ、スライドを目一杯し、路面をえぐりながらターンしたほうが圧倒的に楽しいし、速く気持ち良く走れると思っています。僕が日本でこのような走りをしない唯一の理由はハイカーの気持ちを害したくないから、またそのことで発生するMTBの追い出しを避けたいから、ただそれだけです。カナダではハイキングトレイルとMTBトレイルがきっちり分けられているので、僕はスピードや路面の事は一切気にせずに走ります。これは環境が整っているからというだけの事です。

今度走り行ったとき、急斜面やコーナーを通り過ぎたら一度止まって振り返ってみてください。もしある部分が削れた痕があったら、間違った走り(少なくともMTBトレイル環境の整っていない日本において)をしている事になります。そして、自分がハイカーや土地の所有者になった気持ちでその痕を眺めてみてください。「ああ、しまった、やってしまった」と反省の出来る人はこれからもっとうまく走れるようになるはず。逆に「かっこいい」と思ってしまう人、きっとそれまで止まりでしょう。うまいライダーは綺麗にも荒々しくも、自由自在に走れる技術を持っているものです。このことを頭に入れておくと、自ずとどのような走りをすれば良いかが分かりバイクコントロールの上達にも繋がると思います。

今回このような文章を書いたのは、日本に多くの素晴らしいトレイルがあるのに気づかされたからに他なりません。そしてトレイル保護をされている多くの方々とも知り合う事ができ、彼らの活動を尊重したいと思いました。このような環境を保つ上でどういう意識を持っていれば良いか?まず先に僕の意見を述べさせてもらったまでです。

2 件のコメント:

  1. まったっくもって同感です。
    スライドさせないようなブレーキング、
    つまり制動するのに必要な最低限のブレーキングを
    覚えることが上達への近道かと思っていますが、
    やはり最近のトレイル状況だと滑り出しが早い気がします。
    幸い私の地元はハイカーが全く来ないうえに、地主に許可を頂いているのでそんなに気にしなくていいですが、先日1.5トラックが車のタイヤ(幅的にジムニー??)でガッツリえぐられていました。
    春から作り上げてきた理想のライン取りが一日で崩れました。
    『登山者から見た自転車乗りはこういう感じなのかも』
    という事を感じたのでアウェーに行く時は特に気をつけたいです。

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  2. >しょうへいさん

    決して自然破壊を推奨している訳ではないので、他の方にそう聞こえないように願っています。ですがDHレースコースなんて、それはそれは...ですよね。
    雨が降ったあとのトレイルには乗りにいかないとも聞きますが、雨は雨で滑りやすい路面と格闘するのは楽しいですよね。
    崩されたトレイルは残念ですが、そういう経験をされたしょうへいさんはある意味ラッキーかもしれません。程度の差こそあれ、ハイカーに対するMTBの気持ちを知る事が出来たのですから。

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